AGA治療開始から効果実感までの半年間の記録
クリニックで処方された薬を初めて手にした日、期待と不安が入り混じっていたのを今でも鮮明に覚えている。これで長年の悩みから解放されるかもしれないという、かすかな希望。一方で、本当に効果があるのだろうかという疑念もあった。治療開始後1ヶ月目、医師から説明は受けていたものの、実際に初期脱毛が始まった時は心が折れそうになった。抜け毛が以前より増えている現実に、もうあきらめて治療をやめてしまおうかとさえ思った。しかし、「これは髪が生え変わるための好転反応だ」という医師の言葉を信じようと自分に言い聞かせ、なんとか薬を飲み続けた。3ヶ月が経過しても、鏡に映る自分の姿に劇的な変化は表れることはなかった。相変わらず頭頂部は心もとなく、焦りばかりが募る日々。友人との会話でも、髪の話題を無意識に避けている自分がいた。転機が訪れたのは、治療開始から5ヶ月が過ぎた頃だった。ある朝、髪をセットしていると、指先に今までとは違う感触があった。一本一本の髪に、微かだがハリとコシが戻ってきているような気がしたのだ。そして半年後、美容室で担当の美容師さんから「最近、髪のボリューム増えました?」と尋ねられた時、ようやく自分の努力が報われたのだと実感できた。長いトンネルを抜けたような感覚だった。AGA治療は、自分との、そして時間との戦いでもある。すぐに結果が出なくても諦めず、信じて続けることの大切さを身をもって学んだ半年間だった。