還暦を祝う赤いちゃんちゃんこを着るような年齢になった頃から私は毎朝のブラッシングのたびに洗面台に落ちる髪の量が増えていることに気づき始め最初は季節の変わり目だからとか気のせいだと言い聞かせていましたが孫と撮った写真を見て頭頂部の地肌がくっきりと見えている自分に愕然としこのままでは大好きだったおしゃれも楽しめなくなってしまうという強い危機感を抱いて一念発起し髪育生活をスタートさせることにしました。私が最初に取り組んだのは三十年以上使い続けてきた洗浄力の強い市販のシャンプーを止めて頭皮に優しいアミノ酸系の育毛シャンプーに変えることでした。最初は泡立ちが悪く洗った気がしないような物足りなさを感じましたが使い続けるうちに頭皮のかゆみが治まり乾燥していた地肌が潤いを取り戻していくのを肌で感じることができました。次に食生活の大改革を行い朝食には必ず納豆と卵を食べおやつにはスナック菓子の代わりにアーモンドやくるみをかじるようにして髪の材料となるタンパク質とミネラルを意識的に摂取するよう心がけました。そして何よりも力を入れたのが毎晩の頭皮マッサージでありお気に入りの育毛剤をつけた後に指の腹を使って頭皮を動かすようにじっくりと揉みほぐす時間は一日頑張った自分へのご褒美タイムとなり心地よい眠りへと誘ってくれる最高のリラックス習慣となりました。半年ほど経った頃行きつけの美容師さんから最近髪にハリが出てきましたね以前より扱いやすくなっていますよと言われた時の嬉しさは言葉では言い表せないほどで自分の努力が間違っていなかったと確信できた瞬間でした。今ではペタンとなりがちだったトップにもふんわりとしたボリュームが出るようになり帽子で隠すことなく堂々と外出できるようになりましたし友人からも若返ったんじゃないと褒められることが増え六十代になっても体は応えてくれるのだという自信が私の心まで明るくしてくれました。年齢を重ねることは止められませんがどう重ねるかは自分次第であり髪一本一本に愛情を注ぐことは自分自身を大切にすることに他ならないのだとこの髪育チャレンジを通じて深く学びました。